完全ガイド

WiFiスピーカーとBluetoothスピーカーの主な違い

キッチンカウンター上のSonos Move 2とSonos Roam 2(オリーブグリーン)

WiFiスピーカーとBluetoothスピーカーは、基本的には同じ機能を持っています。それは、リモートデバイスに接続し、ワイヤレスで音声を再生することです。ただし、これら2つのワイヤレステクノロジーは根本的に異なる方法で機能し、その違いは通信範囲や音質をはじめ、他のデバイスとの互換性など、様々な要素に影響する可能性があります。

WiFiとBluetoothテクノロジーのどちらが明らかに優れているか知りたいという方には、その判定はより微妙であることを学んでいただけるでしょう。どちらのテクノロジーにも利点があります (Sonos製品の多くが両方の機能を備えているのはこのためです)。WiFiは帯域幅が広いため、ロスレスオーディオのストリーミングに優れていますが、Bluetoothは一般的に携帯性が高いのが特徴です。

このガイドでは、WiFiとBluetoothの違いを解説し、あなたに最適なオーディオ体験を実現するテクノロジーを選べるようご案内します。

ワイヤレスデバイスへのWiFiとBluetoothの接続方法

WiFiスピーカーとBluetoothスピーカーはどちらも、無線電波を利用して音声をワイヤレスデバイスに送信します。ただし、それぞれ送信方法が異なります。

WiFiスピーカーは、ご自宅のWiFiネットワークなどの無線インターネットに接続します。ワイヤレスネットワークの利点の1つは、複数のデバイスから同時に送信される膨大なデータを処理する能力があることです。これにより、スマートフォン、ラップトップ、その他のデバイスが同時に同じネットワークを使用している場合でも、スピーカーへの高品質のロスレスオーディオストリーミングが実現します。

一方、Bluetoothスピーカーは、スピーカーと音楽再生デバイスの間に直接ワイヤレス接続を作成します。インターネットネットワークやルーターを必要としない、1対1の短距離無線信号とお考えください。Bluetooth対応デバイスとBluetoothスピーカーのペアリングは、通常ワンクリックで完了します。Bluetoothは一般にWiFiよりも早く設定できることになりますが、この方法では通信範囲と音質も制限されます。

したがって、WiFiとBluetoothが同じではないことは明らかです。では、どちらの方が優れているのでしょうか?これはどの特性や要素を重視するかによって異なります。

ポータビリティ(携帯性)

Bluetoothはインターネット接続やワイヤレスネットワークを必要としないため、より携帯性の高いテクノロジーであると言えます。通勤時にSonos Aceヘッドフォンを使用したり、公園でのバーベキューでSonos Roam 2を使用する際には、ほぼ間違いなくBluetoothテクノロジーを利用してデバイスを接続しています。

携帯性に関するもう1つの利点は、BluetoothスピーカーはWiFiスピーカーよりもバッテリー駆動時間が長い傾向があることです。これは、Bluetooth接続ではデータの送信に消費する電力が少なく、WiFiの方が優位な速度や帯域幅などの要素よりもエネルギー効率が優先されるためです。

WiFiスピーカーはBluetoothスピーカーと同じくらいコンパクトで軽量ですが、機能するためにはワイヤレスネットワーク接続が必要となります。そのため、使用できる場所が限られます。WiFiスピーカーを友人の家や屋外の集まりに持っていく前に、デバイスを接続するために信頼性の高いインターネット接続があることを確認してください。

もちろん、多くのポータブルスピーカーはBluetoothとWiFiの両方で接続できます。したがって、適切なスピーカーの選択というよりも、それぞれの状況に適した接続タイプを選択することが重要です。

ピクニックテーブルに置かれたSonos Move 2(ホワイト)
テレビを見ている人々が座るソファの後ろに置かれたSonos Era 300(ホワイト)

音質

より帯域幅の広いWiFiでは、Bluetoothよりも大きなオーディオデータを送信でき、録音されたとおりのロスレスオーディオファイルをストリーミングできます。Apple MusicやAmazon Music HDなどの音楽サービスで高音質のストリーミングを楽しみたい方には、安定したWiFi接続により、オリジナルの録音を忠実に再現するロスレスオーディオデータの伝送が実現します。

Bluetoothテクノロジーでは、使用できる帯域幅はWiFiより少なくなります。そのため、Bluetooth接続ではより効率的に転送するためにオーディオデータが圧縮されることがよくあります。圧縮プロセスにより、音質がわずかに損なわれる可能性があり、サウンド体験の質に影響がおよぶこともあります。

とはいえ、最近のBluetoothテクノロジーの進歩により、ロスレスオーディオに対応するスピーカーやイヤフォンも登場しています。Sonos Aceは、特定のデバイス設定を行うことで、Bluetooth接続でロスレスオーディオを再生できる数少ないヘッドフォンのひとつです。 Sonos Move 2のようなスピーカーでは、Bluetoothでもクリアできめ細やかな音を楽しめますが、最高の音質を追求するならWiFi接続をおすすめします。

接続の安定性

WiFiは通常、ネットワークルーターの範囲内にいる限り、より安定した接続が得られます。ご自宅のWiFiネットワークでの経験からおわかりのように、通常は壁越しや家の端から端までといった比較的長い距離でも安定した接続が可能です。

とはいえ、WiFi接続の安定性は、地域のインターネット障害やルーターのトラブル、また多数のデバイスが同時に帯域を使用している場合に悪化する可能性があります。WiFi信号はネットワーク内では非常に信頼性が高いものの、接続の安定性は、制御不能な環境要因によって左右される可能性があります。

Bluetoothの信号は、物理的な障害物の種類によっては通過が困難になることがあります。コンクリートなどの高密度な素材や、ガラスや金属といった高い電気伝導性を持つ素材は、接続の安定性に特に問題をもたらす場合があります。Bluetooth接続を使用してスマートフォンで音楽を聴いている場合、電話の着信や通知によってストリーミング接続が中断されることもあります。

Bluetoothデバイスは周波数帯域2.4 GHzで動作しますが、コードレス電話や電子レンジなど、同じ周波数帯域を使用するワイヤレス機器は多くあります。2.4 GHz帯域が混雑すると、Bluetoothスピーカーに制限や中断が発生する可能性があります。WiFiスピーカーも2.4 GHz帯域で動作しますが、通信が混雑している場合は、混雑の少ない5 GHz帯域に切り替えることができるため、中断されることはほとんどありません。

もちろん、Bluetoothテクノロジーの進歩によりチャネル分類が改善され、Sonos Aceのような新しい製品では、周波数干渉の問題がほぼ解消されています。

通信範囲

安定性と通信範囲の問題は密接に関連していますが、通信範囲とは具体的にワイヤレス接続の物理的な距離によって届く範囲を指します。

WiFiスピーカーは通常、Bluetoothスピーカーよりも通信範囲が広くなります。一般的なWiFiネットワークは100~200フィート(30~60メートル)の範囲をカバーしますが、壁やその他の障害物に邪魔されない屋外条件では、その範囲はさらに広くなることがあります。そのため、裏庭に屋外用スピーカーを設置する予定の場合、それらのスピーカーを自宅のWiFiネットワークに接続できるはずです。

従来のBluetoothテクノロジーは比較的短距離の接続用に設計されており、多くのBluetoothスピーカーは最大で約10メートルの範囲でしか接続できません。Bluetoothスピーカーを使用する多くの場面では、これが深刻な問題になることはありません。ポータブルスピーカーを公園に持ち出したり、ハイキング中に使用したりする際は、スピーカーが体の近くにあるため、標準的なBluetoothの範囲を超えることはほとんどありません。

つまり、通信範囲に関して一般的にはWiFiが勝りますが、Bluetoothテクノロジーも急速に追いついています。Bluetooth 5.0以降に対応したデバイスは、理想的な条件下では、驚きの最大244メートルという広範囲にわたって接続を維持できます。

Sonos Arc UltraとSonos Sub 4(ブラック)を使用してテレビでサッカーを観ているカップル

ホームサウンドシステムへの統合

ホームサウンドシステムを構築する場合、サウンドバー、ワイヤレススピーカー、サブウーファーなど、複数の異なるコンポーネントを接続するという問題に直面することがよくあります。このようなマルチルームオーディオシステムの場合は、WiFiが最良かつ唯一のオプションとなります。

Bluetoothテクノロジーは、デバイス間の1対1の接続向けに設計されています。複数のコンポーネントシステムを接続する場合、それが問題となります。ただし、Bluetoothスピーカーをホームサウンドシステムの一部にできないというわけではありません。多くのSonosワイヤレススピーカーはWiFiとBluetoothの両方の接続に対応しているため、WiFi経由でシステムに接続し、外出中はBluetooth接続で使用することもできます。

ワイヤレススピーカーを選ぶ際には

WiFiとBluetoothのどちらがより優れている、または劣っているということではなく、それぞれに適した時と場所があります。自宅で音楽を聴く場合には、WiFiスピーカーが音質と接続安定性において最適であり、複数のデバイスで同時にストリーミングするオプションも提供します。外出中は、Bluetoothスピーカーのシンプルさとポータブル性に勝るものはありません。

Sonosなら、あらゆる場所で高品質のオーディオを簡単に聴くことができます。Sonosのワイヤレススピーカーサウンドバーでマルチルームオーディオシステムを構築し、出かけるときにはSonosのヘッドフォンポータブルスピーカーでどこでも音楽をお楽しみください。

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