オーケストラの生演奏を伴う無声映画が芸術作品として開花し始めたころ、音楽は映画に欠かせない存在となりました。それ以来、映画の製作者は歌や楽曲を効果的に利用して、ストーリーを展開させたり、登場人物の気持ちを深く表現したり、スクリーンで表現される演技に隠された意味を加えたりしてきました。音楽は、その使い方次第で観客を映画館からストーリーへと誘いこむ大切な役割を果たします。これは日常生活においても同じでしょう。素晴らしいサウンドトラックは、映画が力強く訴えかける自信、情熱、快感、愛、喜びなどの感情を観客の心に吹き込みます。

映画ファンであり音楽ファンでもあるSonosのチームは、あらゆるサウンドに深み、明瞭さ、豊かさを与えることを目的にArcを設計しました。「Arcはサウンドバーながら、Sonosシステムの一部として音楽を極上のサウンドで再生するように設計されています」と、オーディオエンジニアリング担当シニアディレクター、クリス・デーヴィスは語っています。「音楽のサウンド体験が最大限に向上するよう、Arcの内部にはホームシアター向けに作った一連のスピーカーを使用しています」と続けるデーヴィス。これらのスピーカーのアレイによって、Arcは部屋中にサウンドを正確に届けることができるのです。「センターアレイが中央のイメージをしっかり作りあげ、左アレイと右アレイは驚くほどワイドなサウンドステージを生み出します。」その結果、サウンドバーでありながら、スクリーンで流れている音とそこには見えない音を心躍るサウンドを実現しながら、シームレスに移行させます。

Sonosの広告チームは、これを刺激的なビジュアルで伝える方法を見つける必要がありました。幸いなことに、Sonosのシニアディレクターでグローバル広告担当のロリン・パスコーは映画と音楽の関係について深い知識を持っていました。「名作映画を見た後に、音楽が気に入ってサウンドトラックや挿入曲をすぐに何度もかけた経験はよくあるでしょう？」とパスコーは語ります。「逆に、音楽を聴いて映画のあるシーンを思い出し、その映画をすぐに見てみることもあるでしょう。Arcで私たちが伝えたかったのはそういうことです。」しかし、パスコーとそのチームは、まずこのプロジェクトにぴったりな映画を見つけなければなりませんでした。サウンドトラックが単なる脇役でなく、存在感を示している映画を。

映画監督のライアン・クーグラーが製作中の映画『ブラックパンサー』のことでケンドリック・ラマーに声をかけたとき、クーグラーがラマーに依頼したのは数曲だけだったといいます。結果的には、ラマーが映画の大半を見終わったとき、50分のフルアルバムを提供したいと考えました。ラッパーのラマーが正式に提供したのは5曲のみだけでしたが、彼の声はサウンドトラックのほぼ全曲で聴くことができます。アルバム『ブラックパンサー』は、大多数のラマーの作品と同様に、隙のないインスピレーションに満ちたアートとなっています。映画と音楽を広告で使用するためのライセンス契約を行うために、パスコーが同僚のジャマール・レインとブライアン・ベックに会ったとき、彼らは『ブラック・パンサー』がプロジェクトに理想的な映画であることに即合意しました。

「Sonosはひとつの製品を意味するのではなく、さまざまな製品が連携して機能するのです。私たちの広告はそれを表現しています」とパスコーは言います。「このような広告では製品に注目しがちですが、私たちはサウンドを主役にしたかったのです。」パスコーのチームは、本来の映画の魅力と『ブラックパンサー』の世界観を保つように、映画からは紫色のショックウェーブを、そしてサウンドトラックのアルバムジャケットからはネックレスを使い、2つの異なるサウンドソースを示しました。その結果生まれた広告は、Arcと他のSonos製品でお気に入りの映画を見ている人が映画と音楽の世界に包みこまれていく様子を視覚的に表現するものとなっています。ぜひご覧ください。

映画は、私たちを楽しませ、考えさせ、安らぎを与えてくれます。良い映画とはそのうちの1つをかなえれば十分ですが、この3つすべてをもたらす映画は見る人の人生に多大なる影響を与えることもあります。そのような映画は何度も何度も見たくなるものです。一生の宝となる、はっとさせられて探求し続けたくなるような映画。Arcなら、心躍るサウンドでその体験をお楽しみいただけるはずです。